そういえば、粘液癌が衝撃的すぎて、病理診断結果の検査結果を本編の中に記載するのを忘れてしまった。
実は粘液癌以外にも、もう一つ忘れてはいけない点があったのだ。
まずはがんの全体感から話を使用。
僕のがん(粘液癌)の大きさは、50mm x 100mm という大きさ。多分普通の腺腫に比べると大きい。
写真も見せてもらったが、ウツボのヒラキのようになっているピンク色の細胞の一部分に、びっしりと、カサブタになりきれなかったような傷跡のようなが右端から左端まで帯をなしてくっついていた。
こんもりと盛り上がったその物体の表面には赤いブツブツがあり、正常さを微塵も感じない。
どんな素人が見ても一見して、明らかにワルい、ということがわかる。それくらい顔つきが悪い。
そんな大きながんが、僕の大腸の一部分をせき止めていたのだ。
そして、リンパへの転移だが、ステージ2なので、切除した33個のリンパ節への転移は認められていない。
ちなみに手術中3個のリンパ節(おそらく大腸周辺にあったもの)を迅速組織診断していたようなので、主治医のO医師なんとなくリンパ節への転移はなさそうなことは手術中わかっていたのだろう。
リンパ管への侵襲も浅く(ly1)、静脈への侵襲も認められていない。なので、転移の可能性も低いのではないかと思っている。
ただ、病理診断の説明の際、最後まで主治医のO医師から切り出すことはなかったある記述が僕を驚かせた。
それは一番上の診断結果の項目に書いてあった。
“Double cancer”
僕はこの記述を最初に見たとき理解できなかったが、少し目を下に移動させていくと、要所要所に”多発癌”の記述がある。
そう、どうやら僕の大腸にはもう一つ大腸がんがあったのである。
それに対するO医師の反応はかなりあっさりしたものだった。
僕「僕って癌がもう一つあったんですか?」
O医師「あー、そうみたいだね。」
といった具合に、特段何も反応はなく、大腸の写真を見ながら、あれーどこにあるんだっけ、と医師がもわからないほど微小ながんであるようだった。
ステージ1、10mm x 10mm 程度の腺腫。
どうやら、大腸の多発がんは稀だが、予後に関してはそんなに心配することはないらしい。
僕に余計な心配をさせまいとするO医師の気遣いなのかもしれないが、正直「粘液癌」に頭を取られていた僕は多発がんを心配する余裕もなかった。
なので、当時はO医師の言葉を信じることにした。

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