僕はがんの情報収集が本当に怖かった。なぜなら時にくじけそうになるようなことを目にすることもあるから。でもそのくじけそうなことの隙間に希望はあると思っているし、やっぱりそうだったというのが僕の実感。
当たり前かもしれないが、僕は、医師、医療機関からの情報をメインに、大腸がんに関する基本的な知識をつけた。
あとメディアからの情報だけでなく、疑問に思ったことは主治医にも積極的に質問するようにした。主治医は例外なく忙しくて時間を取ってもらうことはなかなかできないから病室へ顔出してくれた時とかに、パッと質問できるように、自分で調べて疑問に思ったことをノートにつけておいた。
患者さんが出版している本からは彼ら/彼女らの経験談からがん治療に対する心構えや考え方を参考にさせてもらった。著者の主観的な情報だったとしても、著者が物書きのプロだったり、編集のプロを媒介している為コンテンツとしてまとまりがあって腹落ち感を得やすいものが多いと思う。
手軽に様々な情報に触れられる個人のブログは、編集のプロが絡んでいない分情報の質はまちまちではあるけど(無論このブログも!)、主に化学療法の副作用がどのようにでているか、手術後どのような状態がどのくらい続くのか、など実際の治療の副次的な部分の情報を集めるのに役立った。
そして最後に、周りの人に自分のがんの話をすること。これはかなり重要なのではないかと思う。全員に話す必要はないけど、がんに罹患したことを話すと、”無条件に助けるモード”に入ってくれる人が多いと思った。特にがんの苦しさを身近で感じたことのある人ほどそうなる傾向にある気がする。
皆それぞれがんの治療方針に対して意見があったりするので、意見を収束させるのが難しいこともあるかもしれないが、僕の場合は会社の同僚から有名ながん専門病院の医師の紹介の申し出があったり、取引先の人から”とある民間療法”で有名な医師の紹介の申し出があったりと、結局その時は断っているのものの、治療の可能性を広げることのできる情報がもらえた。
特に、そのとき紹介のあった民間療法は、西洋医学でお手上げになったときは絶対行こうと思っていたし、今もそう思っている。
さて、ここからは具体的にお世話になっている(いた)情報源を紹介していこうと思う。(アフィリエイトっぽいのはご愛嬌)
ちなみに入院中はKindle(キンドル)という電子書籍用端末が非常に役に立った。Wifiがあれば買いたい本がすぐにダウンロードできるのと、スマートフォンと違って目が疲れない(ブルーライトが少ない)のでおすすめである。
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■大腸がん(最新医学)
本編でも紹介している本。治療の前後の情報も抑えられる大腸がん治療の教科書。
最新の大腸がんの医療情報が掲載されているウェブサイト。情報更新頻度は少ないけど、希望の見える情報ががんの部位別に見つけられる。
https://gansupport.jp/articles/colon
これも本編で紹介している本。がん体験談の金字塔(私見)。著者である高山さんのがんに向かう姿勢はとても参考になったし、僕自身を救ってもらった。
■大学教授がガンになってわかったこと
大腸がんとすい臓がんに罹患した山口仲美教授が、医者との付き合い方など、患者に役立つ知恵を授けてくれる。教授の軽快で明るい語り口にぐいぐい引き込まれる。
■がん患者
鳥越俊太郎氏の著書。大腸がんステージ4からの生還を成し遂げた軌跡が描かれている。彼、実は何回もお腹をきっている。これを読むと、切除すればいいんだろ!切除すれば!って思える。読むとなぜか安心するので4回くらい読んだ。
■抗がん剤が効く人、効かない人
抗がん剤に関する理解が深まり、もしかしたらあなたの抗がん剤に対する考えが変わるかもしれない。著者の長尾医師の本はいくつか読んだが、いつも思いやりがあり優しい。
がんにならないために、がんを治すために、がんに対する理解を深めてくれる本。生き方を変えようと思えた。
■Google Scholar
学術論文の検索エンジン。一般的に情報の少ない癌種や新しい化学療法の情報を集めるのに役立つはず。
普通の大腸がんであればこのサービを使わなくても十分情報は集まると思う。僕の場合は、本編で今後登場してくる希少な”あるもの”について調べるのにすごく役立った。
そして希少な情報になればなるほど、日本以外の国の論文を含めた方が情報に当たりやすい。なので英語の論文を検索するのが良いかなと思う。
ただし、英語の論文を全部読むには英語力、慣れ、時には多少の統計的な知識が必要になるから敷居が高いのが難点。
でも英語に抵抗がないのであれば、各論文のリンク先のAbstract(あらすじ)だけでも読むのをおすすめする。そこには各論文のイントロから結論まで簡潔に書いてあるので、全文を読む必要はないのだ。
最新研究という点から、できるだけ新しい論文に目を通すのがいい。検索時に年代フィルターをかけると探しやすい。
一つの論文の結論にとらわれず、いくつか似たような研究結果を読んでみて自分なりに考えをまとめるのが正しい使い方だと思っている。
■番外編:今あるがんに勝つジュース
いわゆる食事療法の本。がんの再発予防に役立っているかどうかはよくわからないのであるが、術後3ヶ月間1.5L程度のジュースを毎日飲み、その後も毎日500ml程度飲み続けている。すると、子どもの頃から背中に広がっていた黒っぽいシミたちが消えて、肌が綺麗になったのだ!!(気付いたのは5ヶ月後くらいかな)
うん、がんとは直接関係ないけど、がんになる前は栄養状態がよくなかったんだろうなと感じたのでした。