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コラム:末端神経症対策 – ノイロトロピン

本編とは時系列がずれますが、できるだけ早くこのことを書き残したほうがいいと思い立ったので、書きます。

僕は結果的に術後に化学療法をすることになりまして、XELOXを8クール行いました。

そして、FOLFOXやXELOXで使われるオキサリプラチンの副作用で、最も出現しやすい末端神経症も体験しました。

冷たいものに手足が触れると痺れる感覚(急性の末端神経症)。長いこと投薬を続けていると、手の痺れが慢性的に残る末端神経症。(一般に薬をやめれば時間の経過ととも消失するらしいです。)

僕の場合は、唾液がでるときもなんだかキューっとした感覚に見舞われました。さー食事をしよう、ということで脳みその指令で唾液腺が活発に動き始めると、顎の付け根がキューっと締め付けられる感覚でした。

人によってはこの末端神経症が強く出て、化学療法の継続困難になることがあるようです。

で、その末端神経症の対策で僕が実験してみたことがあったので、誰かのお役に立てればと思い書き残しておきます。実際に試される前にくれぐれも医師と相談してくださいね。

この話の背景ですが、そもそも僕は花粉症持ちでありまして、毎年2月から4月まで、抗ヒスタミン系の薬を15年以上服用していました。

とはいえ、薬だけだと完全に花粉症の症状を抑えることはできず、もう少し効果的な対策はないかとここ数年は、抗ヒスタミンの薬以外も試していたのです。

抗ヒスタミン系の薬以外だと、ステロイド系の注射は効果が抜群でした。ただ、通っていた病院の医師が怪しすぎ、その方からステロイドの安全性を説かれても怪しさが拭えなかったので、ステロイド系の注射は2年ほどでやめました。

その後も花粉症対策を物色したどり着いたのが、ノイロトロピンという薬でした。自然成分(とはいえ作り方はちょっと気持ち悪い)でできていて副作用の発現可能性が非常に低いのですが、なぜ花粉症に効くか分からないというちょっと怪しげな薬です。

ただ、とりあえず、僕の花粉症には効果的なようで、この注射と抗ヒスタミン剤の服用で僕の花粉症はほとんど抑えることでき、副作用もないようなのでここ最近は愛用していました。

話を末端神経症対策に戻します。

ちょうど僕がXELOXを始めたのが、スギ花粉が飛び始めようかという1月の中旬。僕は化学療法の医師の許可を得て、2クール目の直前にノイロトロピンの注射をいつもの耳鼻科医から受けました。

ちなみに化学療法の医師は、ノイロトロピンを”注射”することを驚いていました。通常は錠剤を口から服用するようです。

この時、ノイロトロピンに僕はかすかな期待を寄せていました。完全に勘ですが、もしかしたらこのノイロトロピンちゃん、末端神経症にも効くのではないかと。なぜなら、ノイロトロピンは”神経”に作用するものと知っていたからです。

で、結果、効きました。

こればっかりは僕の感覚でしかないので、本当に効果があったのか計測する術はありません。でも、ノイロトロピン無しでむかえた1クール目とノイロトロピン注射後の2クール目を比べた時、2クール目は明らかに末端神経症が和らいでいました。

痺れからの回復も早かったのです。その後、オキサリプラチンの投与前に必ずノイロトロピンの注射を打つようにしました。(ノイロトロピンの効果は2-3週といわれている為です。)

ただ、クールを追うごとに痺れは強くなってきますし、化学療法後の痺れも残りました。なので飽くまで補助という感じです。

また、主観的な感覚での結論で、なんともいえない部分が大きかったので、同じような体験をした方がいないかインターネッツで調べてみました。すると、ある研究を見つけました。

オキサリプラチンの末梢神経障害に対するノイロトロピン錠®の効果検討 

考察を読むと、十分な検証ができていないものの、有用性を示唆している結果となっています。

また、こういった文献もありました。

日本から発信!抗がん薬による痛みへの対応法 オキサリプラチンによる末梢神経障害の発現機序と治療薬の基礎的エビデンス

この文献は、まだ動物実験の段階ではりますが、様々な薬の研究成果がまとめてあります。

その中でノイロトロピンは、急性の末端神経障害に”予防効果”は無いが”治療効果”があること、慢性の末端神経障害には”予防と治療”の両方に効果があることが示唆されています。

と、上記のように様々な研究が行われているみたいですが、僕がウェブで調べる限り結局まだ明確なコンセンサスははでていない、っぽいです。

僕自身も主観的な効果を認めているだけですし、ノイロトロピンの効果は花粉症対策でも個体差がでてしまうようなので、必ずしも全員に効果があるものではないと思います。

ただ、末端神経症で苦しんでいる方に、この情報が何かの役に立てばと思い、ここに記録しておきます。

 

コンセンサスが取れていないものを化学療法の医師が、患者に勧める可能性は低いと思います。

僕の化学療法の医師も「ノイロトロピン?んー、ちょっと調べますね。」といった感じの認識でした。

でも患者側から提案すれば受けてくれる医師もいると思います。

(まあ僕は花粉症の治療という体で勝手に投与し続けたわけですが・・・。)

もし、試される方がいるのであれば、くれぐれも化学療法の医師に相談ください。



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